チューブ入りのわさび

アイススレッジホッケースウェーデン代表チーム、自他共に認める個性派揃い。
プレー中はともかく、チームで行動している時も個人主義を貫く人が多いし、普段の行動や趣味も中々面白い人が多い。

その中でもピカイチなのが ↓ の人
Jens Kask(イェンス・チャスク)

スレッジホッケーがパラリンピックの正式種目になった1994年にノルウエーのリレハンメルで行われた大会から去年のバンクーバーまでずーーーっとチームの中心選手として活躍。

そんな彼の大好物が今日のタイトル
日本のスーパーではお馴染の

a0169530_23304541.jpg


私が初めてチームに出会い、帯同通訳として5日間一緒に行動した時も、誰に差し入れしてもらったのか、公式練習の初日から愛用。
とにかく、何にでもワサビ。
フライだろうとケンタッキーのチキンだろうと、みんなで出かけた焼き鳥屋さんで食べた焼き鳥にも。
とにかく、ワサビ、ワサビ。
お土産として持ち帰ったのはもちろんのこと、私が初めてス国に遊びに来た時も大量に持ち込み、その後は、日本から誰か遊びに来る度に頼んでいた。

そして、私が2度目に彼らに帯同した岡谷遠征の時。
チャスクは安曇野にある有名な 大王わさび農場 に行った。
それ以前にも、生のわさびがどのようなものかということは、かなり説明したけれど、百聞は一見に如かず、実際見てビックリしたらしい。

実家の父が伊豆に建てた、伊豆なのに山小屋風なセカンドハウス。
土地柄、周囲にはわさび畑が沢山ある。
その話を聞いて、”遊びに行きたい!”を連発していた。
お刺身を食べられるんだから楽しいと思うよ、一緒に行こうよ、と話していたし、父も誘っていた。

でも、それは永遠に叶わない夢になってしまった。

高圧電線に触れ、大火傷を負い、両足を失ったけれど、電圧には勝った!
↑が口癖だった。
実際、彼は何事にもポジティブで、プレーはアグレッシブだし、巨漢に似合わず、繊細な技で、チームを何度も勝利に導いた。
そんな、チャスクが、急性心不全で急逝してしまった。
いつも通りの日常を送っていた時の正に突然死。
チーム全員、呆然自失。
私も辛すぎるし、涙は枯れ果てるまで泣き尽くした気がする。

去年の3月、バンクーバーでは、開会式で旗手を務めた。

a0169530_02798.jpg


不運にも最初のノルウエー戦で骨折してしまい以後の試合には出られなかったけど、ノルウエー戦の第1ピリオドで骨折しながら、その試合最後までプレーした姿は深く記憶に刻まれている。

a0169530_23595365.jpg


スウェーデンパラリンピック委員会がWebに公開した開会式の写真とチャスクの最高の笑顔

a0169530_065674.jpg


バンクーバーでは史上最低の成績に終わってしまったTeam Sweden
今シーズンから再生に向けて動き出した矢先のあまりにも悲しく突然の出来事。
新しい選手を発掘し、ソチに出場するためにはチャスクの力が絶対に必要だったのに・・・・

私個人の思い出としては、
チャスクにはよくス語の発音を教えてもらった。それもほとんどスパルタ。
特にAの上に○がついたス語独特の文字については、何度も何度も直され、最後は半べそ状態だったことも。
そんな私を見て、↑の写真のような笑顔を見せてくれた。
グリズリーのような巨漢だけど、とーーーっても優しい人だった。

今まで、本当にお世話になりました。
私のス語はまだまだ発展途上だけど、これからも頑張ります。
辛い時はあなたのいたずら好きの少年のような笑顔を思い出します。
天国では事故に遭う前の姿に戻っているのかな?
あなたは”そんなの嫌だよ”と言うかもしれないけれど、私は、私が知っているあなたの生前の姿のままで、華麗なプレーを続けていることを願います。
どうか安らかに、衷心よりご冥福をお祈りします。

↓は彼の訃報を伝えるものです。

ス国のWebページの記事
[PR]
by kabusledge12 | 2011-01-29 00:21 | スポーツ